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真山とそのスタッフ達が、小説を制作する過程で行った調査や分析のリポートを紹介。

土曜ドラマ「ハゲタカ」特集vol.2 「2006年12月3日記者取材会」

2007/01/11

待ちに待った「ハゲタカ」撮影再開!

2006年12月3日(日)午後1時より、緑山スタジオにて、土曜ドラマ「ハゲタカ」の取材会がおこなわれました。主演の大森南朋さん(鷲津政彦役)をはじめ、柴田恭兵さん(芝野健夫役)、栗山千明さん(三島由香役)、松平龍平さん(西島治役)が勢揃い、真山も原作者として参加しました。

6月30日にクランクインしたものの、一度は制作が延期になるなど、物語の波瀾万丈っぷりが乗り移ったかのような我らが「ハゲタカ」ですが、12月2日に無事撮影が再開され、再びイヌワシのように雄々しく羽ばたき始めました! 取材会では、「きわめてビビッドな、企業買収をめぐる男と女のドラマで、NHKでも特に力を入れている作品」と制作統括の阿部康彦さんから紹介があった後、俳優の皆さんのコメントが続きました。

続いて真山も「小説を書いている時は、パソコンの前に向かって文字だけを打つという孤独な作業が続きますが、頭の中ではいつも映像が動いていて、それがいつか現実の映像になればいいな、とずっと願っていました。それがこんなに早く、こんなに素晴らしい皆さんの手によってドラマになるという事が今でも夢のようです。原作者というよりも一ドラマファンとして、放送日が待ち遠しくてなりません」とご挨拶しました。

そうだったのか!と改めて知る機会になれば

最後に50人ほど集まった雑誌や新聞など各メディアの方々から質疑応答がありました。
柴田恭兵さんの「入札シーンなどはいわば現ナマをぶつけあうアクションだと思います」という言葉が印象的でしたが、今回は真山の回答を中心に紹介します。

-小説を書いた時期とドラマ放送の時期に時間差があるが、それをふまえて視聴者へのメッセージをひと言

「原作が刊行した頃は、ハゲタカという言葉がまだ世の中に広まっていない時代だったと思います。一方、ドラマは「ライブドア事件」や「村上ファンド事件」など、世の中を騒がせた事件が裁判になり、当時の熱気が冷め始めた時期の放送開始となります。
つまり、あらためて皆さんが冷静に「あの熱気は何だったのか?」と振り替えれる時代に、ちょうどドラマが放送されるわけです。
ドラマを通じて、「そういうことだったのか」と理解していただける部分と、当事者以外は知ることがない裏側の部分がわかっていただけるのではないかと思います。」

-ドラマで扱う事象は、少し前に起きた「ライブドア事件」などを連想させるが、原作者として2007年2月に見るドラマとしてアピールするならば、どんな点か?

「小説ではすべての出来事が何年何月に起きたという手法で物語を進めましたが、ドラマではいつ何があったのかを追いかけるのではなく、いわば企業買収の本質的な部分に光を当てていると思います。
その人間模様を通じて「会社は誰の物なのか?」ということを考えるきっかけになるのではないかと思います。さきほど柴田さんもおっしゃっていた通りかつて「会社は家族」だった。ところが今は家族だと言えない時代が来て、今までは安心して守られていたものが、守られなくなり、自由に生きなさいと言われて誰もがとまどっているのではないかと思います。
そんな中で人はどう生きればいいのか、若い人はどう生きればいいのか?あるいはお金とは何なのか?という事は、多くの方に共通する不安や疑問ではないかと思います。
今回のドラマを御覧になる時は、過去に起きた買収案件などの具体的な事例をトレースしながら「これは何々の事件だな」、と振り返るのではなく、自分の会社、あるいはお父さんや息子さんの会社の出来事かもしれないと思って御覧いただければ、非常に身近なドラマになるのではないかと思います。」

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