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真山とそのスタッフ達が、小説を制作する過程で行った調査や分析のリポートを紹介。

テレビ東京 ドラマ特別企画「巨悪は眠らせない 特捜検事の標的」特集 撮影現場レポート2

2017/08/01

『標的』では、“サ高住”(サービス付き高齢者向け住宅)にスポットが当てられている。
厚生労働大臣の越村みやびは、悪徳業者を取り締まる「社会福祉健全化法案」を通すことに躍起になっていた。投資会社の代表・楽田恭平(中村俊介)は、みやびをサポートしつつ自らのサ高住事業を拡大し、医療と福祉ビジネスでの成功を目論んでいる。
この2人の間に3億円の賄賂が流れたという疑惑を追及している冨永真一、そして新聞記者の立場から越村を追い詰めることになる神林裕太(勝地涼)。この4人が唯一一堂に会す、“ハイパー・サ高住”内覧会場面の撮影を見学しに、都内の某タワーマンションに訪れた。

ガラス張りの広々としたエントランスには、あいにくの雨のためか外からも照明が当てられ、見学者役のエキストラの方々も集まり、内覧会らしいオープニングの華やかな雰囲気が漂っている。
メディアの取材を受けている楽田に、冨永が声を掛ける場面から撮影が始まった。カメラの位置を変え、様々な角度から撮るため、同じ場面が繰り返される。天井の高いエントランスに冨永や楽田の声が何度も響いた。
私用で訪れている冨永は、私服を着ている。「スーツを着ていなくても、どことなく検事っぽい。玉木さんの口調がそう思わせるのでしょう。冨永の生理が身についているんでしょうね」と真山も感心していた。

その後、越村みやびがSPを引き連れて颯爽と登場した。明るく人を惹きつける魅力を振りまきながら、メディアの取材にこたえ、笑い声を残して、楽田とともに去って行く。政治家・越村みやびの人気を一気に印象づける場面だ。「実際の国会議員よりも風格と華があった名取さん。この後、大変な試練が待ち構えているだけに、ここで政治家の頂点としての高揚感を見せて下さったことが、後半の展開に大きな深みとなるのではと、ただただ感心し、期待を膨らませました。」(真山)

越村に質問を投げかける記者の神林は、『コラプティオ』にも登場しているキャラクターだ。“ハイパー・サ高住”を推進している楽田が、社会福祉を建前に裏で荒稼ぎを狙っているのではと訝しんでいる。演じる勝地さんは、質問するときの身の乗りだし方など、監督と細かく話をしていた。後に、別の突撃シーンで「新聞記者としてどこまでいやらしくいけるかという感覚をつかめたように思います。」と語っている。勝地さんの強い眼差しの内に、神林の持つバランス感覚の良さや負けん気の強さが宿っているように感じた。

『標的』は、特捜検事・冨永真一、女性総理候補・越村みやび、そして新聞記者・神林裕太。それぞれの“正義”がぶつかり合う。中でも、ふだん相容れない“司法と報道”が駆け引きをしながら政治家の“正義”を諫めていく過程は一筋縄ではいかない。冨永と神林の対決シーンは見応えのあるものになるに違いない。

超高級な“ハイパー・サ高住”の内覧会らしく、大きな看板や御祝いの花が玄関を飾っていた。
超高級な“ハイパー・サ高住”の内覧会らしく、大きな看板や御祝いの花が玄関を飾っていた。
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