ベイジン
単行本
中国の威信を賭けた北京五輪の開幕直前――。開会式に併せて運転開始予定の世界最大規模の原子力発電所では、日本人技術顧問の田嶋が、若き中国共産党幹部・鄧(ドン)に拘束されていた。このままでは未曾有の大惨事になりかねない。最大の危機に田嶋はどう立ち向かうのか。世界の経済成長を牽引する大国となろうとしている中国の素顔と、原子力発電建設の現場から浮かび上がってくる“今そこにある危機”。それぞれの〝希望〟のために、どんな困難も乗り越えようとする男たちは、北京に光を届けられるのか?
『ベイジン』は、我々がけっして忘れてはならない希望について書いた小説です。
21世紀は「諦めの時代」なのかと思ってしまうことがあります。
努力しても頑張っても報われない。何かに果敢に挑むより、最初から闘わず諦めてしまう。でも、諦めからは何も生まれない。私はそう信じています。
小説『ベイジン』は、我々がけっして忘れてはらなない希望について書いた小説です。
希望は、時にその人の行動や生き方に重くのしかかり、不幸のどん底に落としてしまう場合もあります。しかし、希望があるがゆえに、我々は生きられるのです。
日本人と中国人という隣国同士でありながら、なかなか理解し合えない登場人物たちが、自らに課されたミッションを果たすため、最後まで希望を捨てず生きようとした先に見えたものは何かを、ぜひ探ってみてください。
〈2008年7月〉