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ベイジン

文庫本

ベイジン〈上〉

ベイジン〈上〉

[出版社]
幻冬舎文庫
[ISBN]
978-4-344-41468-6
[発売日]
2010年4月10日
[価 格]
648円(+税)
amazon/ベイジン〈上〉
ベイジン〈下〉

ベイジン〈下〉

[出版社]
幻冬舎文庫
[ISBN]
978-4-344-41469-3
[発売日]
2010年4月10日
[価 格]
648円(+税)
amazon/ベイジン〈下〉
あらすじ
中国の威信を賭けた北京五輪の開幕直前――。開会式に併せて運転開始予定の世界最大規模の原子力発電所では、日本人技術顧問の田嶋が、若き中国共産党幹部・鄧(ドン)に拘束されていた。このままでは未曾有の大惨事になりかねない。最大の危機に田嶋はどう立ち向かうのか。世界の経済成長を牽引する大国となろうとしている中国の素顔と、原子力発電建設の現場から浮かび上がってくる“今そこにある危機”。それぞれの〝希望〟のために、どんな困難も乗り越えようとする男たちは、北京に光を届けられるのか?
単行本
ベイジン〈上〉

ベイジン〈上〉

[出版社]
東洋経済新報社
[ISBN]
978-4-492-06147-3
[発売日]
2008年7月31日
[価 格]
1,600円(+税)
amazon/ベイジン〈上〉
ベイジン〈下〉

ベイジン〈下〉

[出版社]
東洋経済新報社
[ISBN]
978-4-492-06148-0
[発売日]
2008年7月31日
[価 格]
1,600円(+税)
amazon/ベイジン〈下〉
作者の思い
今月9日、幻冬舎文庫から『ベイジン』の文庫版を刊行した。
中国を舞台に、原発問題にも切り込んだ作品だ。
単行本刊行当時(2008年)は、メディアなどでは、中国の真の姿とは何かという側面をクローズアップして戴いた記憶がある。
しかし、今回は原発問題についてより多くの関心を集めそうだ。
 
一因は、温暖化対策の切り札として原発への注目が集まり、原発産業に強い追い風が吹いているからだ。

奇しくも今月発売の月刊『文藝春秋』では、原発問題を取り上げた「原発商戦 ニッポンはなぜ負ける」というオピニオンも掲載して戴いた。
UAE、ベトナムと従来では考えられなかった新興国で始まった原発建設ラッシュに、原発先進国である日本が受注に失敗した。 その理由と私なりの主張を取り上げて戴いた。

「奇しくも」と記したのは、『ベイジン』の文庫化や、今年2月から『別冊文藝春秋』で始めた新連載小説『コラプティオ』でも、原発問題を取り上げたからではないからだ。
たまたま、月刊「文藝春秋」の編集者と会食をしていたときに、私が日本の原発のありかたをぼやいたことを覚えてくださっていてオピニオンは実現したものだからだ。

そして、今月は『別冊文藝春秋』の発売日でもある。
『コラプティオ』のテーマは、“官邸vs新聞社”なのだが、日本の原発産業をいかに活用するかについても、小説の大きな要素になっている。

気が付くと原発問題から離れられない状態になっている自分に驚きながらも、この重要なテーマをしっかりとお伝えしたいという気持ちを新たにした。

〈真山仁ブログ「虎視眈々」より 2010年4月18日〉


主要参考文献一覧(順不同)
  • 経済産業省資源エネルギー庁編『原子力2005』(日本原子力文化振興財団)
  • 火力原子力発電技術協会『火力原子力発電必携【改訂第七版】』
  • 海外電力調査会『中国の電力産業――大国の変貌する電力事情』(オーム社)
  • 桜井淳『美浜原発事故――提起された問題』(日刊工業新聞社)
  • 桜井淳『原発システム安全論』(日刊工業新聞社)
  • 桜井淳『原発のどこが危険か――世界の事故を検証する』(朝日選書)
  • 中日新聞福井支社・日刊県民福井編『神の火はいま――原発先進地・福井の30年』(中日新聞社)
  • 渡部行『日本原電の挑戦――原子力パイオニアの使命』(扶桑社)
  • 二見喜章『ドキュメント原発建設――世界一の「巨大技術」に挑んだ男たち』(ERC出版)
  • 瀬尾健『原発事故……その時、あなたは!』(風媒社)
  • 別冊宝島1469号『【改訂版】これから起こる原発事故――原発問題の専門家から警告』(宝島社)
  • 富坂聰『中国という大難』(新潮社)
  • 富坂聰『北京「中南海」某重大事件』(講談社)
  • ゴードン・トーマス『北京の長い夜――ドキュメント天安門事件』(並木書房)
  • 共同通信取材班『中国に生きる――興竜の実像』(共同通信社)
  • キャメル・ヤマモト『鷲の人、龍の人、桜の人――米中日のビジネス行動原理』(集英社新書)
  • 清水美和『「中国問題」の内幕』(ちくま新書)
  • 『魅惑のオペラ4 トゥーランドット(プッチーニ)』(小学館)
  • 伊熊よし子『イラストオペラブック(1)トゥーランドット』(ショパン)
  • 前間孝則『戦艦大和誕生〈上〉――西島技術大佐の未公開記録』(講談社+α文庫)
※他に新聞、経済誌、週刊誌、インターネットサイトからも情報を得た。
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